さいとく神社は世界文化遺産「姫路城」の鬼門守護神と謂われています。
平成の始めに歳徳神社の奥の院が修復されるにあたり、資材の運搬の為に裏参道が造られました。自然豊かなこの裏参道の傍らに信者の歌碑、句碑を奉納しては如何かという話が持ち上がり、歳徳神社世話人、各種団体の賛同の元に一基、又一基と同好の詩心を寄贈願って数を増やしてきました。そして、本年四月、青門俳句会主宰の高木青二郎氏の句碑建立を機に句碑開きをして今に至っております。
その間、参道のそばには桜の木が植えられ、参道を整備し、より良き神苑道であれかしとの信者の祈りが籠められて出来た文学の小径です。
歳徳神社の奥の院「玉姫j神社」へは、歳壱大明神の右手から階段を登り、途中不動明王(不動滝)に立寄り、さらに上へと登れば到着です。(約150m) 神社の裏参道に四十数個の句碑が並んでいます。そこで貴方も一句!
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案内地図
玉姫神社側からの出発点
村おこし誓願十年実るあき
佐良和句会
曼陀羅のつつじ構えや青海波
真金百々子
神の森透きて初日や空蒼し
茶木裕子
神官の播磨ことばに稲や波
中水大介
歳徳神に百耳うぐいす競いおり
池内多恵子
師に合わす歩に神苑やさつき
燃ゆ
正城房子
影寄せて紡ぐ野山の錦かな
植原嘉栄
行き合いて遍路一会の声かくる
佐野瀬和子
風鈴のその日その日の風に鳴
る
大竹博子
里山を浮かせて花の染小紋
杉内七衣
恵方なる歳徳さんの山ざくら
高木青二郎
掛け水に眼の生きて寒不動
正躰稔子
囀りの神苑に櫻抱き上ぐる
井上志朗
神苑を楽園として囀れる
辻たづ
一山に鎮もる神や風薫る
水谷英一
翠黛の三峰かげろうの夢ごこち
牛尾稜月
神の山一すじ清き紅葉滝
芝野俊子
うぐいすの先達もありおくの宮
牛尾さかゑ
山ざとを一望にして寒の月
牛尾玉枝
うたの道坂に転げる栗の毬
太田垣和夫
米寿へ夢をたくして初詣
牛尾砂丘
快復のたしかな兆しあげ花火
児島たか子
ふるさとの新山に生れしうたの道いろどり深め花となるらむ
上村嶺城
稔り田や風に鳴るもの光るもの
辰巳愛子
風ときて風と去り行く赤とんぼ
田野豊子
白梅のふくらむ小枝みくじ結う
大森須江
電線まで飛べて巣を恋うつばめの子
大加戸やゑ
開門の太鼓に入りし花の城
山本あい子
啓蟄の虫が吾が手の甲を這う
門前ふき子
花の城仰ぐ裏より表より
小笠原扶美女
城塁に落花張り付く花の城
中島久野
脱ぎ捨てし羽衣に似て山の藤
有本福寿
ねんごろに守られて神の山眠
る
進藤はな
夜店の灯尽きて独りの道となる
喜多白鷺子
杖車言寿の八十路数万に杖車押しす詣る産土の杜
村おこし落葉かさなる句碑の道
小林春巳
一望を指呼につらねし花の宮
芝野俊子
でで虫や一途に生きし日の遥
か
堀重子
杖もまたわが一脚や初もうで
牛尾稜月
走馬灯さげて浴衣の子が帰る
犬賀あさ子
四温灯龍の吐き出す水に触れ
植田紫龍
花かえで水かけてより不動の眼
植田紫紅
とこしえにさかえ花咲け神の
庭
牛尾仙月
徳つみてむしばむ谷の岩はだに我まねかれてさとりひらかむ
砂丘
神さかの息ぎれいやす不動滝
砂丘
六十年繋ぐ此の笛秋祭
砂丘
親しさに寄る神苑の花むしろ
稜月
百寿祝ぐ(ほぐ)天主の若葉せり
上がる
俊子
一日の帰依山門に落葉踏む
稜月
句碑一覧
裏参道からの出発点
裏参道
裏参道